後藤聡美 研究室
多様な学びのあり方から社会が変わるきっかけを探る
スタディツアーやボランティアなどさまざまな現場での実践を通して、人と人との出会いや関わりから生まれる学びが社会の変容につながるプロセスを研究しています。
プロフィール
後藤 聡美(ごとう さとみ)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科 助教
神戸大学発達科学部を卒業後、同大学大学院人間発達環境学研究科にて修士(教育学)、博士(学術)を取得。日本学術振興会特別研究員(DC2、RPD)、神戸大学特命助教を経て、2025年より現職。 専門は生涯学習論・成人学習論を基盤とした教育学研究。 持続可能な社会づくりのための学びのあり方を研究している。とくに、ESD(持続可能な開発のための教育)、福祉教育、開発教育、ボランティア学習など、社会課題と向き合う実践的な学習活動に関心を持ち、国内外の教育実践を対象に研究を進めている。
研究内容
異なる経験や関心をもつ人びとがどのように出会い、関わりながら学びを深めていくのかという問いをもとに研究と実践を進めています。
ESD(持続可能な開発のための教育)や福祉教育、開発教育、ボランティア学習などの実践現場でアクション・リサーチ(現場に深く関与しながら行う研究方法)を行っています。スタディツアーやボランティア活動、地域での活動に関わる中で、異なる背景をもつ人びとが出会う場でどのような学びが生まれるのかということを分析しています。具体的には、インドのスラムを訪問するスタディツアーやハンセン病療養所、被災地、農村地域などでのボランティア活動などの実践を通じて、社会課題に対する学びがどのように生まれるのかを研究しています。
特に、多様な社会問題・テーマとの関係性を表す概念として「当事者性(tojisha-sei)」に着目しています。人と人との何気ないコミュニケーションのなかで、それぞれの人びとの「当事者性」が相互に出会うこと(当事者性の邂逅)で生まれる学びのプロセスを「当事者性学習論」として理論化する研究に取り組んでいます。
また、大学・地域・NPO・行政など多様な主体が協働して社会課題に取り組む実践にも関心を持ち、教育実践の現場と研究を往還しながら、持続可能な社会に向けた学びのあり方を探究しています。
実践内容
(1) 大学を拠点とするESDプラットフォーム創成事業 神戸大学大学院人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究センターのプロジェクトとして、「ESDプラットフォーム創成事業」に取り組んでいます。
本事業では、多様な背景をもつユースが、社会問題が顕在化する地域(ハンセン病療養所、自然災害の被災地、農村地域など)を訪れ、現地の人々との関わりを通して学ぶ機会を創出しています。こうした経験を通じて、ユースが持続可能な社会の実現に向けて行動する主体へと成長していくことを目指し、大学を拠点としたESDの実践的な学習基盤の構築に取り組んでいます。
参考URL:https://www.esd-will.org
(2) ESDに関わる実践者・研究者のネットワークづくり 兵庫・神戸地域を中心に、ESDに関わる研究者、NPO・市民団体、企業、学校関係者など、多様な主体が交流し、新たな実践を生み出していくためのネットワークづくりに取り組んでいます。
マルチステークホルダーの対話と協働を促進する場として、「ESD実践研究集会」や「ESDスタディツアープログラム」などの事業を企画・運営し、実践と研究の往還を通じたESDの発展を目指しています。
参考URL:https://rce.h.kobe-u.ac.jp
(3) インドのスラムで生活する子ども・若者の自立支援活動 インド・ムンバイのスラム地域で生活する子どもや若者とともに、遊び・学びの支援活動に関わっています。
現地では、ダンスや音楽などの表現活動、文字の読み書きのサポートを通して、子どもたちが自分の可能性を広げていくことを支援しています。また、日本の学生を対象としたスタディツアーを実施し、異なる社会的背景をもつ人々との出会いを通して、社会課題について学ぶ機会づくりにも取り組んでいます。